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シャイニング続編公開直前!映画『シャイニング』のストーリーをどこよりも詳しく紹介、続編『ドクタースリープ』のあらすじは?

この記事は、映画『シャイニング』の続編『ドクタースリープ』を見る前にシャイニングのストーリーの紹介・考察と続編の展開を紹介していきます!

2019年11月29日(金)についに公開となる『ドクタースリープ』

1980年に公開したホラー映画の金字塔『シャイニング』の続編として今巷で話題になっていますよね!

しかし正直『シャイニング』の物語を知らないと観る意味がないんです!!

うさぎ
うさぎ
ドクタースリープ観たいけど『シャイニング』観たことないしなあ

そんな方のために、『シャイニング』を10回以上観て、原作も三回以上読んだ私がストーリーを細かく紹介・考察していきます!

これを読んだらきっと数百倍『ドクタースリープ』が面白くなるはずです。

映画『シャイニング』あらすじ

まずは映画『シャイニング』のあらすじを見ていきましょう!

作家志望のジャック・トランスは、友人の紹介で冬期のホテルの管理人をすることになる。

彼には妻と5歳の息子がおり、一家で冬の間(10月〜翌5月)大雪のため閉鎖されるホテルの管理をするためにオーバールックホテルにやってきた。

そのホテルには、1970年に同じく冬の管理をしていた男が発狂し、妻と二人の娘を殺し自殺するという事件があったが、ジャックは「僕はそんなことにはならない」を笑い仕事を受け入れたのだった。

息子のダニーには、”シャイニング”と呼ばれる特殊能力を持っていた。

ダニーはその”シャイニング”の能力でホテルにいるはずのない双子の姉妹や幽霊を目撃して行く。

ジャックは初めのうちは自身の執筆活動に集中していたが、それもうまくいかなくなりだんだんとやつれ怒りを溜め込み始め、最終的にはその矛先を家族に向ける。

妻のウェンディと息子のダニーが、父親の様子がおかしいと気づいた時にはもうホテルは雪に覆われ、逃げ出すことも助けを呼ぶこともできなくなっていたのだった。

というあらすじです。

ジャックを演じたのはあの有名な怪俳優ジャック・ニコルソンで、彼はバットマンのジョーカー役も演じています。

雪で覆われた閉鎖空間で起こる怪現象➕父親の狂気ということで公開当時から多くの人を恐怖に陥れてきました。

ホテルの幽霊と狂ったジャックの恐怖から逃れることはできるのか!?

次に詳しい『シャイニング』のストーリー(ネタバレ)を見ていきましょう!

映画『シャイニング』ネタバレストーリー展開

ここからは具体的に映画『シャイニング』の内容を見ていきましょう!

考察も後々紹介します。

①オーバールックホテル到着

オーバールックホテルは西部コロラド州の山脈の中に建っている大きく豪華なホテルである。

車でも一番近い街からも数時間かかり、冬の間は大雪が降るため交通が不可能になるような場所だ。

そのホテルは、毎年5月から9月までのシーズンのみ営業し10月から4月までは冬の管理人を雇い、部屋の管理や建物の修復、5月からすぐ営業が再開できるようにしていた。

→考察1

そんな冬の管理人として今年面接にやってきたのが、ジャック・トランスだった。

ジャックは教師だったが生徒に手をあげクビになり、今は作家を目指している。

しかし、定職がない彼は家族を養うためこの仕事に興味を持ったのだった。

ホテルの取締役のアルバートから一通りの仕事の説明を聞いたジャックはもう一つある事件の話を聞く。

それは1970年に、冬の管理人の男が発狂し妻と娘を殺し自分も自殺したという話だった。

それを聞いたジャックは「僕はそんなことにはなりませんよ。やることはたくさんある。なんていったって戯曲を書かなければならないからね」と答える。

アルバートはそれを聞いて安心し、ジャックにこの仕事を任せることにするのだった。

一方その頃、家にいた息子のダニーは洗面所で倒れてしまう。

彼には空想の友達トニーがいるのだが、トニーはたまにダニーにこれから起こることを教えてくれるのだという。

ジャックが仕事の面接に受かり、もうすぐ電話をかけてくることを教えてくれたのだ。

しかしその能力には体力を使うため倒れてしまうこともあり、母のウェンディも心配していた。

もちろん父にも母にも、トニーのことは言っているがその能力のことは言っていなかった。

つまり母も父も変わった子だなとは思っているが、幼少期にはそういうことがあってもしょうがないとその程度に思っていた。

トランス一家は、コロラド山脈を抜けオーバールックホテルにやってくる。

今日は営業最終日で、明日から人っ子一人いなくなるこのホテル。

ジャックと妻のウェンディがホテルの構造や仕事内容をもう一度確認している間、ダニーは料理長のハロランとアイスを食べていた。

ハロランはダニーにあの能力のことを話す。

彼にもその能力があり、それを持っているもの同士はテレパシーで会話できるというのだった。

君にあるその能力は”シャイニング”というんだよ。」とハロランは教える。

「シャイニングは未来を見ることもできるが、遠い過去のことを見ることもできる。

このホテルも長い歴史の中で沢山のことがあっただろう。中には悪いことも。」

ダニーは「ハロランさん、ここが怖い?」と聞き、

「建物にも、人間と同じようにシャイニングを持っているものもある。多分この建物には未来を予知させる能力を持っているのだと思う。」とハロラン。

ダニーはさらに「237号室には何があるの?」と聞くと、ハロランは一瞬驚いた顔をするが

「あそこには何もない、絶対に入ってはいけない」と注意だけするのだった。

→考察2

②ホテルでの生活

ホテルでの生活は一ヶ月が経過していた。

ウェンディは毎日大きなキッチンで食事を作り、ダニーはおもちゃやテレビを見て過ごし、ジャックは広間のコロラドラウンジで戯曲を書く生活を送っていた。

ホテルの庭には巨大な迷路があり、アルバートの話によると大人でも一時間は出てこれないという。

ある日、ウェンディはジャックの様子を見るためにコロラドラウンジにやってきた。

「調子はどう?予報では今夜は雪だそうよ」と言うウェンディに

「だからどうした?」と少しキレ気味に聞くジャック。

「ウェンディ、はっきり言っておくけど、君がここにくるたびに仕事が中断されて気が散るんだ。ここでタイプライターの音が聞こえたり、仕事をしている風だったら絶対に入ってくるな。」

ウェンディは少し驚いた顔をして、コロラドラウンジを後にするのだった。

雪はもう1メートルくらい積もり、外ではウェンディとダニーが雪遊びをしている。

コロラドラウンジから見つめるジャックの目は、もう優しい父親を失い始めていた。

→考察3

③ホテルに住む幽霊 恐怖の始まり

雪が着々とホテルを覆い始めたある日、ウェンディは外と連絡を取ろうと電話をかけるが通じず、無線で森林管理局に連絡を取る。

電話はこの大雪で線が切れてしまい、雪が溶けるまで修理は難しいため、連絡手段はこの無線だけになってしまった。

その頃ダニーは三輪車でホテルの廊下を走っていたが、ある曲がり角を曲がった所で双子の姉妹に出会う。

手をつないで立っている二人の姉妹は「ダニー、一緒に遊びましょう」と呼びかける。

次の瞬間、二人の残虐な殺害現場(斧と飛び散った血と倒れた二人)が現れ、驚いたダニーは目を隠すのだった。

目を開けた時には、二人の姉妹も飛び散った血も無くなっていた。

また別の日、ダニーがおもちゃを取りに家族の部屋へ行くと、ジャックがベットの上に座り空虚を見つめていた。

ジャックはダニーを膝の上に座らせ、「できたらずっとこのホテルにいたいくらい好きだ、永遠に、ずっと」と言う。

ダニーが「ママや僕をいじめないで」と言うと「俺がいじめると、ママが言ったのか?」と返すジャック。

「愛しているよダニー、世界で一番可愛いと思っているんだ。そんなお前をいじめるもんか、絶対に」とジャックは約束するのだった。

→考察4

④恐怖のXデー 前編 恐怖の幽霊屋敷

そのXデーは突然やってくる。(映画では「水曜日」とクレジットが入る)

ダニーがいつも通り廊下で遊んでいると、誰もいない場所からボールが転がってくる。

その場所を探しているとあの237号室の前にたどり着き、しかもそのドアは開かれているのだった。

一方その頃、ボイラーの点検をしていたウェンディの耳にジャックの叫び声が聞こえた。

急いでコロラドラウンジに向かうと、ジャックは寝ながら叫んでいたのだった。

ジャックを起こすと「悪夢を見ていた。君とダニーを殺す夢だ。」と言う。

そんなジャックをなだめていると、ダニーがコロラドラウンジにやってくる。

しかし様子がおかしい。

赤ん坊のように親指を加え、その首にはあざのようなものが。

ウェンディは「あなたがやったのね!そうなんでしょ!」とジャックを追い詰め、ダニーを連れて部屋に戻ってしまったのである。

→考察5

自分のせいにされ怒りを覚えたジャックは、一人”黄金の間”に向かう。

するといるはずのないバーテンダーが現れ、酒を飲むジャック。

そこにウェンディがやってきて(その時にはバーテンや酒は消え、ジャックは一人)

「やっぱりこのホテルには何かいるのよ!ダニーが女性に首を絞められたと言ったわ」と237号室でダニーの体験したことをジャックに伝える。

それを聞いたジャックは237号室の鍵を持って、その部屋に向かうのだった。

237号室の浴室を覗いたジャックの目の前に、裸体の若い女性が現れジャックはその美貌に目を奪われ、彼女とキスし抱き合う。

しかし、抱き合う彼女の肌がだんだん腐り気がつくと、水でふやけた老婆になっていた。

甲高く笑う老婆を突き放し、急いで237号室から逃げたジャックだったが

部屋で待っていたウェンディには「何もいなかった」と嘘をつくのであった。

しかしウェンディは納得せず「今からここを出ましょう。ダニーを連れて逃げるのよ」と言うがジャックはそれに逆上し

今ここから逃げ出したら、俺の仕事はどうなる?俺にはここの管理をする責任があるんだぞ」と怒り部屋を出ていってしまうのだった。

それを子供部屋で聞いていたダニーは不安を感じ、その不安は距離を超えてカルフォルニアにいるハロランのところにも届いていたのだった。

⑤恐怖のXデー 後編 豹変した父親の恐怖

部屋を出たジャックは再び”黄金の間”へ足を踏み入れる。

しかしそこはさっきの静寂はなく、ダンスパーティーが開かれ100人以上もの人が集っていた。

またバーテンのところへ行き酒をもらうジャックの目の前に、グレイディという男が現れる。

「君は、ここの管理人をやってただろう?新聞で見た。君は妻と娘を殺して自殺した男だ」というジャックに、初めは「そんなこと知りません」というグレイディだったが次第に本性を現し始める。

グレイディは「あんたの息子は、外部の者をここに呼ぼうとしている。黒人の料理長を(ハロランは黒人)。息子さんは超能力を使ってあなたを邪魔しようとしているんですよ。」と忠告をする。

ジャックは「大人しそうで頑固だ。母親が悪い、あの女が邪魔をするんだ。」を答える。

よく”しつけ”る必要がありますな。厳しく躾けなければなりません。私も妻と娘をしつけました。」とグレイディは言い、ジャックは笑うのだった。

→考察6

グレイディと話したジャックは、唯一の連絡手段である無線を壊してしまうのであった。

その頃、料理長のハロランは森林管理局にホテルの様子を聞き、無線が繋がらないことを知りホテルのあるコロラドまでやってきていた。

一方、ダニーはベットの上で気が狂ったように”レッドラム”と叫び、ウェンディは気が動転しとにかくなだめるしかなかったのである。

「ダニーは遠くへ行ったよ、トランスの奥さん」とダニーの口から放たれ、ここにいるのがダニーではなく別の誰かである(おそらくトニー)であることを悟ったウェンディ。

翌朝もダニーの様子は変わらず、ウェンディはバットを片手にジャックのところへ向かっていた。

コロラドラウンジについたウェンディはジャックが今まで書いてきた原稿を読む。

そこには「仕事ばかりで遊ばない。ジャックは今に気が変になる」と何百枚者原稿用紙にその言葉のみ羅列してあったのだった。

その時、ウェンディの後ろからジャックが近づき「傑作だろ」と声をかける。

歩み寄るジャックに後ずさりしながらウェンディはバットを振り続ける。

「一瞬で終わるから、ほらバットをこっちに渡して」というジャックの頭を一撃したウェンディは、気を失ったジャックを引きずり食料保管庫に入れて鍵を閉めてしまったのである。

「ここを出て行くわ。」というウェンディにジャックはニヤリと笑い「どこへも行けるもんか。無線や雪上車を調べてみろ」と言う。

雪上車はバッテリーが切られ使い物にならなくなっていたのだった。

閉じ込められたジャックの元に、グレイディがまたも姿を現す。

あなたに始末ができますかな。私も仲間もそう思っています。あの女はかなりしぶといですよ。非常に厳しい態度で臨まないと失敗します。」というグレイディに、

「もう一度チャンスをくれ、必ず成功させる。」とジャックは誓うのだった。

そして、グレイディの手によって食料庫の鍵は開き、ジャックは妻と息子のいる部屋へ向かったのだった。

その頃、部屋では包丁を持ったまま疲れ果ててウェンディは眠っていた。

ダニーは”レッドラム(Redram)”と扉に書き、甲高い声で叫びウェンディを起こす。

ウェンディは鏡ごしに”Marder(殺人)”という字を見つけ驚いたと同時に、部屋の入り口から破壊音が聞こえた。

ジャックが斧を使ってドアを叩き割り、部屋に入ろうとしているのだ。

その音で正気に戻ったダニーを連れてウェンディは奥の浴室に入り鍵を閉める。

ウェンディはダニーを窓の外から出し、逃がすことに成功したが自分は体が大きくて出られず仕方なく包丁を片手に迫り来るジャックを待っていた。

案の定、ジャックはすぐに居場所を特定し浴室のドアを斧で叩き割り始めた。

ウェンディの叫び声が響き、もう少しでドアが叩き割られてしまうところで外から車のエンジン音がしたのだった。

ハロランが雪上車を借りて、ホテルに到着した音だった。

ジャックはウェンディを置いてハロランのところへ向かった。

何も知らないハロランは、ホテルに到着して早々待ち構えていたジャックによって一撃で死んでしまう。

すんでのところで命拾いしたウェンディはすぐにダニーを探しに走り回るが、その途中

犬人間と男性の同性愛的な行為や頭から血を流す紳士、無数の骸骨たちのパーティー、そしてハロランの死体を見つけ半ば発狂しながらダニーを探すのだった。

一方ダニーは、父親に見つかり外の迷路へ駆け込み逃げていた。

ダニーは必死で逃げるが、雪によって足跡が残っておりジャックはそれを追っているのだった。(ジャックはウェンディに殴られた時足をくじいているため走るのが少し遅い)

それに気づいたダニーは自分の足跡に沿って後退し、迷路の物陰に隠れジャックが通り過ぎるのを待っていた。

ジャックは途中でパタリとダニーの足跡がなくなってしまったが、迷路の奥までダニーを探しに行ってしまう。

隙を見てダニーは自分の足跡を戻り、出口までたどり着きウェンディと再会。

ハロランが乗ってきた雪上車でホテルを後にするのだった。

ジャックは迷路の中で凍死した。

ホテルの一角、1921年7月4日と日付の入った写真の中央にはジャックが鎮座していた。

というストーリーです。

雪で閉ざされたホテル、ジャックによって無線も雪上車も壊され本当に密室に閉じ込められたウェンディとダニーでしたが、幸いか不幸かハロランの登場によってホテルから抜け出すことができました。

ジャックはホテルの亡霊にそそのかされ、本当は妻や息子も仲間にしようとするが失敗、自分だけホテルの幽霊の一員になってしまいました。

次に、映画『シャイニング』の考察を見ていきましょう!

映画『シャイニング』考察 原作を読んだからこそわかる謎の解明

『シャイニング』を観ると、謎が多すぎて混乱すると思います。

私自身もそうでした。

私はその謎に惹かれて大学の卒業論文でこの映画『シャイニング』を研究しました。

その中で原作『シャイニング』を読む機会もあって、原作を読めばほとんどの謎が解決することもわかりました。

単行本2冊の長編小説を二時間の映画にしているので、ある程度省かないと入りきらないんですね。

次に、映画『シャイニング』の考察を見ていきましょう!

私の意見もありますが、原作にしかない真実なども載せていきます。

考察1 オーバールックホテルの歴史と謎

この幽霊屋敷のホテルの名前は「オーバールック」ですが、この意味には

ホテルの表向きの意味「高いところにある、見渡す」という意味の他に

「見過ごす、見て見ぬ振りをする」という意味もあるんです。

映画でも一瞬出てきますがこのホテルは1907年に建設され、その前は先住民族(インディアン)の墓地だったそう。

コロラドのあるアメリカ西部では、以前インディアンの大量虐殺などもあり先住民族の因縁の地にこのホテルが建てられたことを物語っています。

このホテルに泊まりに来るのは、アメリカの中でも裕福な人たち(大統領など)で

インディアンの大量虐殺や墓地を無理やりホテルにしたという事実を見て見ぬ振りをしていることがわかります。

コロラドラウンジの内装にも先住民族の模様などが装飾されており、このホテルと先住民族の因縁は切っても切れないようです。

また、原作によるとこのホテルは何人も持ち主が変わっており、今の取締役のアルバートの前の時代ではギャングのたまり場のような場所だったそう。

その中でギャングがこのホテルで殺されたという事件も発生しており、そのことも見過ごしてきたというホテルなのです。

考察2 237号室の女

ジャックが237号室に入って、ある女を見ますが彼女は一体誰だったのでしょう。

原作にはしっかり彼女のことが記されています。

その女はどう見ても60歳以上の老婆で、連れが17歳にもなっていないような青年だったという。

一週間か十日くらい滞在していて、いつも決まった時間にコロラドラウンジへ来て酒を飲んでいたそう。

ある日、青年がロビーへ来て「”ワイフ”がちょっと”気分が悪く”なってしまったから胃薬を買いに行く」と言って乗って来たポルシェで出ていったまま、もう帰ってこなかった。

女は次の日も、普段通り生活して「別になんとも思っちゃいない」と言わんばかりに振舞っていたが、ある日酒と睡眠薬を大量に飲み237号室(原作だと217号室)で死んでいた。

その後、237号室では奇妙なものを見たという噂が立ち、ハロランも実際に見ていたのだった。

という話があるのです。

その女の怨念が強く残っている237号室にダニーとジャックは入り、彼女の霊を見たんですね。

考察3 ジャックは仕事に行き詰まっていた

このホテルにいる間に戯曲を完成させて、家族を養わないとと強く思っているジャックにとって、戯曲が思うように進まないのは最大のストレスだったことは間違い無いでしょう。

そのストレスが怒りに変わり、妻と子供に向けられたのも確かです。

原作では、ジャックは戯曲を書いている途中でこのホテルの過去を調べ始めます。

ホテルの地下で埃をかぶっていたスクラップブックを持って来て調べていたのです。

ですので、ジャックのタイプライターの横にはスクラップブックが置いてあるんですね。

ホテルの過去を自分の戯曲に取り入れようと調べ始めたジャックでしたが、次第にホテルの魅力にとりつかれて最終的にはこのホテルの幽霊の一員になってしまいます。

考察4 ホテルの幽霊になったジャック

ジャックがダニーに「このホテルに永遠にいたい」と話すシーンがありますね。

この意味には二つあると考えています。

1,このホテルから出るまでに戯曲を書き終えなければならないから

2,ジャックにとってこのホテルが居心地のいい場所だから

1の理由では、確かにジャックの目標は「このホテルから出るまでに(この仕事が終わるまでに)戯曲を一つ書き上げる」ということですから、

今現在うまくいっていない戯曲のことを考えると妥当な理由だと思います。

2の理由では、このホテルを調べて行くうちにここが自分にとって居心地のいい場所、感覚の合う場所ということになります。

ジャックは自分に従わない妻と息子に腹を立てますが、1980年ではその考え方は古いものになります。

父権的な権力が衰退し始めて来た1980年にいるジャックにとって、それが通用しないということはかなり居心地の悪いものだと思います。

ジャックが出会うパーティーは1920年代のもので、ラストシーンの写真も1921年のものですよね。

1920年代にはまだ父権的な権力、男性優位の権力が普通でしたので、ジャックにとってはその世界の方が居心地が良かったということになります。

最終的に女性と子供にやられ時代にもついていけなかったジャックは、古き良き昔の象徴であるこのホテル、1921年の写真の中に入ってしまうのです。

考察5 ダニーを怪我させたジャック

237号室に入り怪我をしたダニーを見て「あなたがやったのね!」とジャックを責めるウェンディ。

このセリフによってジャックとウェンディの信頼関係は崩れ、ジャックの奇行を加速させることになりますが、なぜウェンディはジャックを疑ったのでしょうか?

それは、ジャックが昔酒に酔ってダニーを怪我させたことがあるからです。

酒を飲んで帰ったジャックは、書きかけの原稿がぐちゃぐちゃにされた部屋を見て頭に血が上ります。

ダニーのちょっとしたイタズラだったのですが、ジャックはもう何も考えられずにダニーの腕を乱暴に掴み叱ろうとしますが、その時強く掴んだためにダニーの肩を脱臼させてしまったのです。

それ以降、ジャックは酒をやめたのですが、その事件はウェンディとジャックの中で片時も離れない悪夢のようになっていたのです。

そんな過去があって、それでいてジャックは少し気が変になっているため

ウェンディはダニーの首のあざを見てジャックを疑ったのです。

考察6 ホテルはダニーが欲しかった

グレイディがジャックをそそのかして、妻と子供を殺させようとしますが、

原作ではグレイディ(とホテルの幽霊たち)はダニーの類稀な”シャイニング”を欲していました。

ですので、まず父親をそそのかして一家全員をあちらの世界のものにしようとしていたのです。

ハロランが冒頭らへんで「この建物もシャイニングを持っている」と語りますが、このホテル自体が意思を持っており、ダニーのシャイニング欲しさにジャックを操っていたのです。

映画では全く言及されないため、頭のおかしくなった父親が妻と息子を殺そうとするという恐怖映画になっていますが、裏にはホテルに住む幽霊たちの存在があったんですね。

続編『ドクタースリープ』あらすじは?

2019年11月29日に公開する『ドクタースリープ』は、この『シャイニング』の続編になります。

続編ではどういう展開になるのか、見ていきましょう!

『ドクタースリープ』あらすじ

あの事件から40年が経ち、5歳だったダニーは今はもう45歳になっていた。

しかし、あの事件をきっかけにダニーの中でトラウマが生まれ大人になってからは酒に溺れ、職も転々としていたのである。

しかしそんな過去やトラウマから解放されようと断酒会に参加し回復に向かっていた。

そんなある日、同じ”シャイニング”の能力を持つ油という少女と出会う。

ダニーは、昔ハロランがそうしたようにその能力のことをアブラに話してあげるのだった。

アブラと交流を持つうちに「トゥルー・ノット」という団体のことを知る。

「トゥルー・ノット」とは、超能力のある子供を誘拐し解剖、その能力を食べて生き延びるという恐ろしい団体でアブラはそれから逃げているのだという。

ダニーは、アブラを助ける約束をし「トゥルー・ノット」との決戦に挑むのだった。

その中で、自身の過去、トラウマの原因であるあのホテルとも向き合っていくのである。

というあらすじです。

『シャイニング』で5歳だったダニーが、主人公になっているんですね!

あのホテルが舞台ということではないようですが、ホテルも出てくるようですし、あの双子も出てくるようです!(予告編によると)

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ABOUT ME
sappy
小さい頃から海外ドラマにハマり、就職せずにブログとイラストを書いています。雑誌ファッジさんで『さくらのシネマスタンダード』を連載中。イラストはインスタグラムにあげています。