『フルハウス』 シーズン3 第9話 ア・ブ・ナ・イ男
昔に戻りたい
誰しもが「昔に戻りたい」と思ったことはあるのではないでしょうか。
昔は良かった、昔の自分はイケていた、あの頃に戻りたい。
でも実際、戻ろうとしてもなかなかうまくいきません。
そうして、昔と今の自分のギャップの大きさに気づいてまたショックを受ける。
だけれど、本当に昔の自分の方が今の自分よりいいのでしょうか?
確かに昔の方が今よりも責任がなくて自由に過ごしていたかもしれません。
でも、今の自分が背負っている家族や仕事の地位を捨ててまで昔に戻ろうと思いますか?
昔よりも自由ではなくなったかもしれないけれど、今の自分の方が充実しているかもしれません。
今回のジェシーも、昔と今のギャップに苦しみます。ジェシーがこの数年で得たものとはなんだったのでしょうか。
①友人との再会
ある日ジェシーの友人ピートが遊びにやってきます。
ジェシーも久々の友人との再会に喜び、昔のように一晩中遊び、夜にはパーティを開きます。
ピートは昔と変わらず、バイクで好きなところへ行き自由な生活を送っています。それに比べてジェシーは、今や仕事と主夫を両立する立場。
それを見たピートは、「昔はなんでも危険なことをするやつだったのにな」と少しジェシーをからかいます。
家でのパーティを楽しんでいるとダニーとレベッカが仕事から帰宅します。ジェシーは「子供たちが寝る時間だから」とパーティの演奏をやめるよう促します。
それを見たピートは、昔のジェシーがいかにイケていたかビデオを見せます。
②あの頃の自分
そのビデオには、命を顧みずビルの塀をバイクで走る昔の自分が写っていました。
「あんなにタフだったこいつが今じゃ小学校の社会見学の引率だぜ」とピートがまたからかいます。
それを聞いたジェシーは「あれぐらい今も楽勝だ」と同じことをしようとします。
ピートや仲間たち、レベッカはそれを必死にやめさせようとします。
ジェシーは皆の心配をよそにビルの塀に登ります。
しかし、ジェシーはそこにバイクを止めて降りてくるのでした。
皆も安心して家に帰ります。
③無くしたもの以上に得たものは大きい
家に帰ったジェシーにピートが声をかけます。
「お前はビビったんじゃない。分別がついたんだ。
昔のお前じゃないからってなんだよ。今のお前も好きだ。」
DJも「アブナイことをやめてくれて良かった。断る方が勇気いるよ。」と声をかけます。
ジェシーは自分がビビってしまったことに納得がいかない様子。
「あと少しのところでビビっちまったんだ。分別はついてもハタチの頃が懐かしいんだ。」
「その頃のこと覚えてるよ。クールなおじさんはプレゼントをくれるとすぐ帰った。私は今のおじさんの方が好き。毎日会えるから」とDJは励まします。
「実はなさっき屋上で家族やベッキーの顔が思い浮かんだんだ。死んだらお前たちに関われなくなる。それは絶対に嫌だった。無くしたもの以上に得たものは大きいかった。」
ジェシーは、昔のように自由ではなくなったけれど、その代わり大事な家族と恋人を得たことに気づいたのでした。
「昔は良かった」からの卒業
たまに忙しい日常から離れて立ち止まって過去を振り返ると、昔はあんなに輝いていたのになあと思うことがあります。
そして今の自分とのギャップにショックを受ける。
昔を懐かしむことと昔に戻りたいと思うのは全く違うのです。
今の自分を受け入れているのが昔を懐かしんでいる状態。
今の自分を受け入れきれていないのが、昔に戻りたい状態です。
まず、今の自分を受け入れる。そして過去ではなく未来に目を向けることが大切です。
過去には戻れないけれど未来ならまだきていません。
過去との自分と比較するのではなく、未来のなりたい自分と比較した方が前向きに物事を考えられます。
過去は懐かしむ程度にして、常に今を未来を見据えて生きていきたいものです。