『フルハウス』 シーズン2 第18話 ママの思い出
人間の脳は忘れるようにできている
「人間の脳は忘れるようにできている」
19世紀の心理学者エビングハウスの言葉です。
確かに毎日毎日しっかり生きてても、記憶の片隅にこの素晴らしい景色をとどめておこうとしても、今日の面白い出来事を記憶しておこうと思っても
何日、何ヶ月、何年も経つと忘れてしまうのが人間です。
たとえ大切な人が亡くなったとしても、その直後は鮮明に覚えていても、だんだんとぼやけてきてしまいます。
今回のタナー家も同じです。2年前に亡くなったパメラ(子供達の母親・ダニーの妻・ジェシーの姉)の思い出を忘れないようにみんなで話し合います。
①MR.ベアーが行方不明!?
今日は大掃除の日。ダニーは張り切って掃除にかかります。
ステフもぬいぐるみをまとめていました。
そのぬいぐるみをジョーイがバザー会場に持って行くのです。
しかし、少したって部屋に行ってみると大事な相棒MR.ベアーがいません。
ステフは何をするにもMR.ベアーと一緒でそのぬいぐるみを何よりも大事にしていました。
ジョーイはステフのぬいぐるみをバザーに出したこたを思い出し、MR.ベアーも一緒に出してしまった思います。
②どうしてもMR.ベアーがいい
家族総出で新しいぬいぐるみを買ってステフを元気付けようとします。
ジョーイもMR.ベアーにそっくりなぬいぐるみを買ってきますが、ステフは偽物だからヤダと返してしまいます。
ダニーたちはステフのところに行って、なぜそんなにMR.ベアーにこだわるのか聞きにいきました。
「初めてMR.ベアーを見たときから幸せだった。」
と漏らしたステフにDJもあることを思い出します。
「私もあの日を覚えているよ。生まれたばかりのミシェルを連れてママが退院した日に、私とステフにお土産を買ってきてくれたんだ。私にはブレスレットでステフにはぬいぐるみのMR.ベアーだった。」
ステフはMR.ベアーが母からもらったプレゼントだったことを思い出し、
だからずっと一緒にいたかったんだと感じます。
③あの日のホームビデオ
ママのことを思い出し、DJはさらに続けます。
「ママが死んだ直後はママのこといろんなこと覚えていたの。
ママの顔も、ママの声も、香水の香りも…
でも最近は少しずつ忘れかけてる。」
そこにいた家族全員がそう感じていました。
パメラのことを思い出すと悲しくなるから、思い出も話さなくなってしまったと皆が思います。
だからジェシーは、姉パメラとの思い出を話し始めます。
続いてジョーイも親友の妻パメラが笑ってくれたからジョークがウケたこと、
DJたちも母がよく歌っていた変な歌を思い出します。
確かに前よりは彼女のことを忘れているかもしれない。けれど、彼女の思い出をしっかり胸に抱いていれば彼女を忘れることはない。
ということを感じたタナー家の家族は、久しぶりにホームビデオを見ることにします。
そのホームビデオは、ミシェルとパメラが退院してきた日のもの。
DJとステフにプレゼントが渡されて、初めてMR.ベアーとあった日のもの。
家族はそれを見てパメラのことを思い出し、それぞれの胸にそれを焼き付けるのでした。
(MR.ベアーはミシェルが隠していたので、無事にステフの元に変えることができました。)
思い出を胸に抱いて
私は、幸運なことにまだ身近な人が亡くなったことがありません。
なので、どんなにタナー家に同情しても、その気持ちを隅々まで理解することはできないでしょう。
しかし、記憶がだんだん薄れていく時の流れは感じます。
例えば、もう小学生の頃のことはほとんど思い出せません。断片的に教室の雰囲気や一緒に遊んでた友達の名前くらいは覚えてますが、毎日何をして遊んで居たか全く思い出せません。
それと同じように高校生時代のことも今ではもうぼやぼやしています。
まだ5年もたっていないのに、あの日何で笑っていたのか、何で悩んでいたのか思い出せません。
高校生の頃から、この楽しい時間を一生忘れないようにしようとそう考えていました。今目の前にあるこの光景を忘れないようにしよう、そうすればいつでも今日に戻れるから。
でも実際は詳細はほとんど忘れてしまいました。
やはり少し寂しいです。今でも高校の友達と親交はあるけれど、あの時の記憶はほとんどない。ただ楽しかったという感情だけ。
だから、今大学生で、今日がどれほど楽しくてもいつかは忘れてしまうんだなと感じてしまいます。
どんなことで笑ったのか、何が悔しかったのか、毎日毎日何で悩んで何を楽しみにしていたのか。今日の日を忘れてしまうのが怖いです。
でも、全てを記憶に残すことは不可能です。そう思った時、今をちゃんと生きようと思いました。
過去の思い出も大事だけれどそれだけでは生きていけない。
思い出を胸に抱いて行くには今日の日をしっかり生きていかなければならないとそう感じています。